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短編小説「北山に来て」②

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【宝ヶ池池畔】
PENTAX K100D
SIGMA 50mm F2.8
焦点距離50mm
絞り優先
WB太陽光
1/350sec
F5.6
ISO感度200





「見てみ。新緑が水面に溶け込んでるわ」


君は、左手で私の手を引いて、右手で宝ヶ池の湖面を指差した。
その湖面の緑に良く映える白い細い指で。


湖面はまるでパレットのように、緑だけでなく空の色や木々の枝の色を
混ぜ合わせたように様々な色が溶け込んでいる。

そして、意図的に画家がパレットに筆を撫でるかのごとく
番の鴨が直線的に湖面を行く。


「言葉には言い表わされへんけど、緑って言うても一色やないねんなぁ」


ため息をつくように君は湖面を見ながらつぶやく。
君の瞳は、裸眼なのにカラーコンタクトを付けている様に
池の緑が映りこんで美しい。



短編小説「北山に来て」②_e0145635_2153426.jpg




【混ざり合う緑】
PENTAX K100D
SIGMA 50mm F2.8
焦点距離50mm
絞り優先
WB太陽光
1/350sec
F5.6
ISO感度200

by keisukerudolf | 2008-06-03 21:54 | PENTAX100D
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