守られている、引き継がれているもの

【笹百合・大神神社】
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仏教用語にもある「盛者必衰」。
平家物語の冒頭に出てくるので、有名な言葉ですね。


日常は常に変化する無常な世の中では、
一見当たり前に見えるものですら、
時代と共に変わったり、なくなってしまったり。


「失う事は、得る事だ」と知っていても、
失う事へのショックは勿論の事、
得る事への不安だってある。
そもそも「守られている」という安全感が無いと、
変わる事が出来ないんですから。


だからこそ、余計に
「あぁ、ここなら安全だ」って思える
場所だったり、人だったり、
ものだったりするのですが、
そういうのを感じられれば、
安定もするし、変化も出来るのですね。


そして、必死に生きていればこそ
案外誰かがそれを見ていて、
助けの手を差し出してくれる時は
必ずあるんだなぁ、とちょい痛感。




写真は大神神社境内に咲く笹百合。


かつて大神神社がヤマト朝廷の中心だった頃、
それは相当古い時代の事ですが、
神社周辺はこの季節になれば、
写真のような笹百合が一面に咲き誇っていたそうです。


そして大神神社の摂社である、
奈良にある「率川(いさかわ)神社」に
笹百合で飾った酒樽が奉納されていたのです。
6月16日の三枝祭(率川神社)は、
大神神社と奈良の強いつながりを暗示しています。


ところが、環境の変化に伴い
笹百合は絶滅の危機に瀕します。
三枝祭に笹百合を供給する事すら
おぼつかなる状況にまで陥ったそうです。


状況を案じた大神神社の有志の方々が
15年前に笹百合の栽培・定植を進め、
今や「ささゆり園」と呼ばれる
笹百合を拝観出来る(しかも無料!)場所が出来ます。


今でも周りを柵で保護されていたり
相当な厳重警戒の元にあるのですが、
昔の姿を取り戻そうとしています。
守られ、引き継がれていこうとされている
日本の、奈良の姿がそこにあります。
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by keisukerudolf | 2010-06-14 20:42 | PENTAX K20D
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